咬み合わせを守る治療や痛みのないインプラント手術
323-0025 栃木県小山市城山町3-10-6
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痛みのないインプラント手術

インプラント植立手術後の痛みがほとんどないように心がけております。
インプラント治療を受けてうまく咬めるようになっても、もうインプラント手術はこりごりだと思われないように、次に歯がなくなった時もインプラント治療を受けたいと思って頂けるような手術を心がけています。
私の行うインプラント手術を受けた多くの方は、「麻酔の切れる時だけ痛み止めを飲んだだけで後は飲まなくても済んでしまった」という方がほとんどです。

・ 手術時間をできるだけ短くすること
・ 手術野を小さくすること
・ 切開を小さくし骨面をできるだけ露出させないこと
・ 骨を削るドリルは常に鋭利なものを使い、骨に火傷を起こさない
・ 炎症のあるところにインプラントを植えない
・ 唾液による手術中の汚染を避ける
 (唾液中には何億ものバクテリアが存在しドリリングした骨面に触れれば感染の危険が増加します)
・ 縫合後、剥離した粘膜と骨面を圧迫する事により腫れをなくす

これにより痛みのないインプラント手術ができます。


通常のインプラント手術2例

※第二小臼歯部へのインプラント植立手術 剥離を小さく短時間で植立し確実な縫合を行います

①この欠損部に今からインプラント
②インプラント植立終了

③縫合終了


※上の犬歯部へのインプラント植立手術 手早く確実な手術が痛みを起こさずに済みます

①犬歯部に今からインプラント
②歯肉をはく離し骨面を露出

③インプラントを植立中
④植立終了

⑤約15分でインプラント手術終了


上記と相反することですが、インプラント植立の指導をする場合はまず手術野を大きく開けて骨のヴォリュームを確認するように指示します。
インプラント植立場所・方向・深さを間違えないように少しずつ骨を削っていき、失敗のない様に慎重にドリルの太さを換え、最終の形まで堀リ進めます。
長い時間組織や骨を空気に触れさせると唾液による細菌感染や血流の妨げによる組織の壊死を生じる可能性が高くなり、そのため痛みが出たり、腫れが出たりしてしまいますので、数多くのインプラントの手術経験が痛みのないインプラントを可能にしています。

インプラント2次手術
6~8週後に歯肉に穴をあけインプラントと骨が結合している事を確認して、仮の土台を立て仮の歯を作ります。

①インプラントの二次手術麻酔時
②小さく穴をあけて歯肉を整形します。

③仮の土台を立てる
④仮の歯を作る

3000本のインプラント手術経験

昭和55年からインプラント治療を始めました。
京セラから発売したバイオセラムサファイアインプラントという名称で、材質は人工サファイア 骨親和性のある材料という触れ込みで5年間で約500本の植立手術を行いました。
しかし、夢の治療と考えていたものの5年後の治療成績が50%の成功ではこれ以上使えないと判断し、一時インプラント治療から離れていました。
平成に入りチタン系インプラントの臨床成績が著しく向上しているとの事を知り、再びインプラント治療を始めました。
サファイアインプラントからチタンインプラントへの無料での植立という形からはじめました。
スイス製ITIインプラントで当時最も骨との結合が早いということでしたが、3~5ヶ月はかかりました。
3年前までのチタンインプラント植立本数は2000本を超えています。
骨質・骨量の診断を間違わなければ100%近い成功を収めることができるようになりました。
3年前よりチタンインプラントよりも応用範囲の広いスプラインインプラント(チタンにハイドロオキシアパタイトという人工の骨成分がコーティングしてある)を使い300本以上の植立を行っています。


25年以上経過したサファインプラント

①昭和56年に植えたインプラントが問題なく使われている例です。向かって右下私が植えた最も古いインプラントの一つです。植立から30年経過しました。
②向かって右下にスクリュウ型のサファイアインプラントが植立されています。昭和56年に植立し現在も何も問題なく使われています。向かって左側には近年植立したスプラインインプラントが植立されています。

向かって左下には昭和57年に植立したT型のサファイアインプラントがあり問題なく使われています。向かって右上には平成13年に植えた犬歯と第二大臼歯部のチタンインプラント(ITIインプラント)いずれも問題がありません。向かって右下の第一大臼歯の欠損に対しこれからインプラントをする前の状態です。


T型のサファイアインプラント

①向かって左下にT型のサファイアインプラントが植立されています。これも30年以上問題なく使って頂いております。
②現在はサファイアインプラントを使用しておりませんが、25年以上経過しても問題なく経過しているインプラントです。

私の使うインプラント

日本では現在多くのインプラントが販売されていますが、適応症・術式を間違えなければどのインプラントを使用しても問題はないと考えています。
各歯科医師によって様々のインプラントを使用している理由は、インプラントを始めるにあたって、どこの会社のインプラント研修会を受けインプラントを実施する機材を買うかで決まってしまいます。
インプラントを施術する為の機材は、各々のインプラントにより決まっており高額でもある為、1種類のものしか使っていないのが現実であります。
そして自分の使っているインプラントはとても素晴らしいものだと言っている訳です。
私は今までサファイアインプラント・チタンインプラント・ハイドロオキシアパタイトコーティングインプラントの3種類を使って臨床を行ってまいりました。
私が使っていたチタンインプラント(ITIインプラント)は今でもすばらしいインプラントと思っております。
毎年改良を加え骨との結合時間も短くなり、コンポーネントも充実しより使いやすい物となっています。
ただチタン系のインプラントは骨のしっかりした場所では十分に威力を発揮しますが、抜歯直後や骨の少ない部位・骨の弱い部位では難しいインプラントなのです。
3年前よりハイドロオキシアパタイトをチタンインプラントにコーティングしたスプラインインプラントを使用しております。
ハイドロオキシアパタイトとは人工の骨成分であり、骨を誘導する機能をもっていますので、今までチタン系インプラントでは難しい手術とされてきたものも患者さんに負担をかけずに行えるようになってきました。

①現在使っているインプラントのスプラインインプラント(ハイドロオキシアパタイトコーティングインプラント)
④ITIインプラント(チタンインプラント)平成18年まで使っていたインプラント

インプラント手術の種類

スプリットクレスト-主に上顎に用いる特殊な植立法
骨の幅のない場合、骨を真ん中から割ってインプラントを植立し隙間に骨補填材(β-TCP)を埋め込みます。

スプリットクレスト
①歯槽骨が薄い場合には次のような処置を行います。
スプリットクレスト
②歯槽骨の上部を特殊な器具で少しづつ広げます。
スプリットクレスト
③インプラントを埋め込めれるよう、準備を行います。
スプリットクレスト
④骨造成剤とインプラントを埋め込みます。


サイナスエレベーション-上顎の臼歯部に行う特殊な植立法
上顎には上顎洞と呼ぶ空洞が誰にでもあります。
上顎洞が低位にある場合、上顎骨が吸収して上顎洞との距離が短い場合には骨の厚みが十分でない為インプラントが植えられませんので、上顎洞の中に人工骨を移植し骨の厚みを増します。
通常のインプラント植立と同様にドリルで骨に穴を開け、穴の中から人工骨を増やす為、痛みはありません。
私の場合には6ミリの厚みの骨があれば10ミリのインプラントを植立する事が出来ます。

スプリットクレスト
①歯を失ってしまうと歯槽骨の吸収が起き骨が薄くなり、インプラント手術が行えない為、次のような処置を行います。
スプリットクレスト
②上顎洞底部を押し上げる為に、専用器具を利用します。
スプリットクレスト
③押し上げた部分に骨補填材を入れます。

スプリットクレスト
④上顎洞底部の骨密度を高める為に、専用器具を利用します。
スプリットクレスト
⑤骨の高さが十分に確保されたので、インプラントを埋め込みを行います。
スプリットクレスト
⑥インプラントを埋め込み完了です。

①向かって左上の上顎洞の中に骨補てん剤を入れインプラントを植立しました。
②左右の上顎洞に対し骨補てん剤を入れて2本のインプラントを植立しました。

①向かって右上に2本のインプラントを植立 奥の1本にサイナスエレベーションを行ないました。
②左右の上顎洞にサイナスエレベーションを行ないました。


抜歯即時インプラント法
抜歯と同時にインプラントを植立する植立法は、2年前まではこんな事が出来るとは思っても見ませんでした。
チタンインプラントではとても出来ない方法です。
抜歯後の骨の穴にインプラントを植えます。
骨の再生力とハイドロオキシアパタイトインプラントの骨誘導力により早期にイプラントと骨の再生・結合が起きます。
抜歯後の骨の治癒では十分に骨の残る場合と骨が痩せてインプラントが難しくなってしまう場合があります。
骨の痩せる前にインプラントを植える事により骨の吸収を防ぐ事が出来ます。
前歯では抜歯してから時間の経過してから治療するインプラントと比べて審美的にも優れ、骨や歯肉の形をもとあった状態に近づかせる事が出来ます。
抜歯とインプラントを同時に行う為、手術を1度で済ませる事が出来ます。
痛みは抜歯時の痛みと同程度で、インプラントをした事による痛みはありません。
早ければ抜歯から3ヶ月でクラウン(かぶせ物)を作る事が出来ます。
チタンインプラントの場合、抜歯からはじめると最低6ヶ月の時間が必要となり、残存歯・顎関節・顎堤に負担をかけてしまい不便さも感じさせてしまいます。
現在すべての抜歯対照歯に即時インプラントが出来る訳ではありませんが、インプラントを前提とした抜歯の場合、即時インプラントをするようにしています。
技術的な難しさは確かにありましたが、そのハードルも乗り越え100%近い成功を収める事が出来るようになりました。
抜歯即時インプラントは日本中でもまだ数少ない歯科医師しか出来ない技術であり、数多い植立経験とハイドロオキシアパタイトコーティングインプラントを使用している歯科医師でないと成功は難しいと考えます。

※上顎第一小臼歯部に抜歯即時インプラントを行った事例です。

①抜歯直後の状態です。
②インプラントを植立して骨補てん剤をインプラントの周りにつめてある状態です。
③8週間後の状態で歯肉の治りは順調です。

※歯根破折を起こした小臼歯に対し抜歯即時インプラントを行った事例です。

①歯根が真中から割れています。
②植立から8週後の状態です。インプラントの周りの骨の再生が見られます。

③同じく8週後仮の土台を入れてあります。
④歯肉がきれいになり型をとれる状態になりました。

⑤土台を立てた状態です。
⑥メタルボンドクラウンを仮につけてかみ合わせの状態を見ます。 取り外し用の金属の突起が付いています。

⑦土台を立ててクラウンをかぶせましたが、歯肉と歯の関係は非常にきれいに出来上がっています。
⑧装着時の状態です。
インプラントに土台を立てメタルボンドクラウンをかぶせましたが、歯肉から歯が生えているようにきれいに仕上がっています。


抜歯即時インプラントは抜歯とインプラント植立を同時に行う為、外科的な手術を短縮する事ができ、抜歯痕の骨再生力を利用する為に痛みの少ない時間のかからない方法です。
装着時の状態はインプラントに土台を立てメタルボンドクラウンをかぶせた事により、歯肉から歯が生えているようにきれいに仕上あがります。

※ブリッジの土台になっていた第一小臼歯が歯根破折の為に抜歯となり、即時インプラントを実施した事例です。

①ブリッジの手前の歯に歯根破折が起こりました。
②抜歯直後の状態の状態です。

③抜歯直後 抜歯後の骨にインプラント植立のためドリルで形を作りました。
④インプラントは1本ずつ滅菌された容器に入っています。

⑤インプラントを抜歯したところに植立中です。
⑥植立が終了致しました。

⑦インプラントと骨との間には隙間が見えるので、ここに骨補てん剤を充填していきます。
⑧骨補てん剤を充填完了です。

⑨血餅を保護する為に縫合して終了します。
⑩術後10日後の抜糸した状態です。
術後の痛みもなく経過し何の問題も見られません。
抜歯即時インプラントはほとんどこのような経過をたどり治っていきます。
今より8~10週後に2次手術を行う予定です。


以上がインプラント手術の種類です。
手術により時間が掛かったり、2種類の骨補填材を使い分けたりしますが、費用はすべて通常インプラントの手術費用20万円にしています。
これにかぶせる為の費用として、貴金属の歯の場合5万円、ポーセレン(陶器の歯)の場合10万円、1本当たり25~30万円のインプラント治療費となります。
半年毎の定期検査に来て頂ければ、10年の保障をしております。
きちんとしたケアーをすれば20年以上もつものである事を経験しております。
出来るだけ多くの方に安価でインプラント治療の素晴らしさに触れて頂きと考えています。
同じインプラント手術に30万円から50万円以上の費用を表示している先生がほとんどですがこれが当たり前なのです。
高額の研修費用、高額の医療機器、スタッフの教育の為、インプラントの手術費用として掛かってくるのです。

欠損治療としてのインプラント植立の違い

どのような歯の欠損に対しインプラントを植立しているかをご説明致します。

*中間欠損-1本の中間欠損

ブリッジとして今までであれば前後の歯を削り橋をかける状態で、取り外しでない方法で3本の歯を作りました。
インプラント治療では、1本のインプラントを植える、前後の歯に負担をかけず被せる事による傷もつけず、そこに元々歯があった状態に近づける事が出来、審美的にも自然に仕上がります。


中間欠損2本の中間欠損
ブリッジでも出来るが2本の欠損の負担を前後の歯が受けます。
1本または2本のインプラントを植立して、2本の歯を作ります。


中間欠損3本の中間欠損
通常治療では取り外しの義歯を作る場合が多いようです。
インプラントでは2本か3本のインプラントを植立して、3本分の歯を作ります。

①一歯の中間欠損
向かって左下第一大臼歯にインプラント、手前がブリッジとなっており、負担を減らす為にインプラントを選択しました。
②向かって左下は2本の中間欠損
右下は1本の中間欠損のインプラントです。

③向かって左上は2本のインプラントで3本の歯を作り、 右上は1本のインプラントで2本分の歯を作りました。
④向かって左上は3本の欠損に対し3本のインプラントを植えて歯を作りました。
ほかのところも1本の欠損に対して1本ずつインプラントを植えて治療ました。


*遊離端欠損
上下顎とも奥歯が1~4本奥の方から欠損している状態はインプラントの適応症の多いケースであり、義歯を入れる事で歯を作っていたものをインプラントを植える事により歯があるのと変わらない状態で咬合を安定する事ができ、咬合の崩壊を阻止・インプラントの力を最も発揮出来ます。
患者さん側ではインプラントの素晴らしさを体感出来ます。
遊離端欠損の場合、患者さんそれぞれの咬み合わせの安定度合い・上下の奥歯の残り方・骨の状態・経済状態等により、どこまで奥歯を作るかを決めます。
4本の奥歯がしっかり咬める事・上下4本の奥歯がある事が理想的ですが、ほとんどの場合3本の奥歯でかみ合っていれば1本歯がない事を感じず、咬む能力の低下も感じないで済みます。
まれに奥歯2本までのインプラントで咬合を安定させる場合もありますが、 状況により奥歯2本までのほうが長く安定させられると判断した時にはそこまで咬合を止める事もあります。

①遊離端欠損
奥のほうから欠損している状態で、向かって左上3本の遊離端欠損に対し3本のインプラントを植えて治療しました。
②インプラントがないと奥歯どうしが一本もかみ合わない状態だったので、遊離端欠損と中間欠損の複合した治療を行いました。


*全顎的インプラント治療
ほとんど総義歯、または総義歯の方にはインプラントを植えて義歯でない固定性の状態を作ります。
または義歯を小さくし違和感のない義歯を作ります。

①上の歯が前歯6本、下の歯が前歯2本しか残っていない状態から全体を治しました。
③上の前歯3本しか残っていませんでしたので、8本のインプラントで治治療しました。下は1本のインプラントとクラウンとブリッジで治しました。

①上は2本、下は歯は1本もない状態で、インプラントだけを利用し治療しました。
②インプラントがないと早期に総義歯に移行しそうな状態でしたが、現在「自分の歯となんら変わらない感覚で使っています」との事です。


*義歯の中にインプラントを組み入れるインプラント治療
義歯の中に数少ないインプラントを組み込み、義歯の沈み込み動揺を防ぎ、咬む能力を高める治療法、義歯でしか治療法のない方も数多くいらっしゃいます。
義歯の中にインプラントを効率的に配置し、咬む能力を高め残っている歯も保護するようにします。

①犬歯2本にコーヌスクラウンとマグネットを利用し、4本の土台で義歯を安定させました。
②奥にITIインプラントが2本入っています。


犬歯2本には2重冠タイプとマグネットタイプが入っています。
2本のインプラントを入れることにより、入れ歯が奥に沈みこまなくなり安定し痛みがなく、患者さん曰く「歯があった時と同じくらい強くかめるようになった」との事でした。

①義歯を入れた状態です。
②義歯の裏側です。インプラントかぶる外冠に突起をつけ、義歯の取り外しを容易にしました。

コーヌスクラウンとインプラントにマグネットをつけたコンビネーション義歯の事例
これを作るまでは 旧来のクラスプをかける義歯が入っていましたが、何も噛めないし噛むたびに残った歯が痛いとの事で来院されました。
治療には半年以上の期間がかかりましたが、現在非常に満足され笑顔で定期検診にいらしています。

①インプラント4本にマグネット歯牙には6本のコーヌスクラウン(2重冠)を作りました。
②義歯の裏側です。

③義歯を入れた状態です。義歯が入っている感覚はないとの事です。
④全体のレントゲン写真です。


保険で作る義歯にインプラントを追加した症例です。
局部義歯を作り、インプラントを2本植えマグネットをつけた後で付け足しました。
この2本のインプラントにより奥歯の安定が得られ、上の前歯を下の前歯が突き上げなくなり格段に安定し、最悪のすれ違いのかみ合わせを防ぐ事ができました。

①大臼歯部に2本インプラントを植立マグネットとしました。
②大臼歯部に2本インプラントを植立マグネットとしました。

③犬歯2本とインプラントで義歯は維持されています。
④犬歯2本とインプラントで義歯は維持されています。

⑤何年かぶりに奥歯で物が食べられるようになったと喜んで頂けました。


3本のコーヌスクラウンと2本のインプラントにマグネットをつけたコンビネーション義歯・上顎は3本のコーヌスクラウンと2本のマグネット式インプラントにより義歯を安定させました。
義歯の沈み込みを解消する事ができ、下は1本のインプラントにキーウエイを取り付けブリッジタイプとしました。
少ないインプラントで患者さんにとって満足のいく治療をする事ができました。

①義歯を外した状態です。
②下には1本インプラントを植え2本分の歯を作りました。

③義歯を口の中に入れた状態です。
④前歯の部分には人工の歯肉をつけていません。
⑤義歯の裏側です。違和感を感じさせない大きさに調整してあります。


かなり難しかったインプラント義歯の事例です。
向かって右上に2本のインプラント下に1本のインプラントを植えてあります。
レントゲンをみると上の顎の骨がえぐれたように無くなっています。
その部分は人工の歯肉をつけ頬部の陥没を防ぎ、残った歯にはコーヌスクラウン(2重冠)をかぶせインプラントも2重冠式にして全体を連結し歯を作りました。
下のインプラントを植える事によりインプラント同士のかみ合わせができ、上下の安定を得る事ができました。
将来の修理を予測した場合これ以上の方法はないと考えます。

①顎の骨がえぐれ、インプラントを植える場所もほとんど確保できませんでしたが、サイナスエレベーションを行い、上に2本、下にも1本インプラントを植えてあります。
②歯とインプラントにコーヌスクラウンをかぶせ義歯を作り安定させました。

③歯とインプラントにコーヌスクラウンをかぶせ義歯を作り安定させました。
④義歯の内面です。義歯の違和感はほとんどないとの事です。


*総義歯に対するインプラント治療
下顎の総義歯が安定しない場合、2本のインプラントを植え、そこで義歯を維持し安定させます。
上顎総義歯の場合、4本のインプラントを植えて義歯の口蓋部分を取り除く事により、違和感をなくし安定感を増す事が出来ます。

上顎は4本のインプラントにマグネットをつけて義歯自体を小さくしました。
前歯部には人工の歯肉をつけて鼻の下のふくらみを出し、下顎はコーヌスクラウンとインプラントのコンビネーション義歯を装着しました。

①上は4本のインプラントを植えてマグネット式の義歯としました。
②下もインプラント義歯です。

③きるだけ小さく作り違和感をなくしてあります。


上顎に6本のインプラントを植え2重冠タイプを作りました。
固定性のものだと鼻の下の唇のヴォリュームがなくなり口元が貧相になる為、人工歯肉をつけ取り外しのできる状態にしました。

①初診時の口の中です。
②インプラント植立し内冠の入った状態のレントゲンです。

③内冠の入った状態です。
④義歯を入れた状態です。


他医院で上顎4本のインプラントを植えられた状態で来院され、2本を追加しマグネットタイプのインプラント義歯としました。
下の3本は上顎を作った3年後に治しました。

①真中2本はITIインプラントを植えました。
②ほかの4本は他医院で植えてられたそうです。

③奥にはインプラントを植える事ができない為、遊離端の義歯タイプとなってしまいました。
④義歯タイプの裏側です。マグネットで固定されるようになっています。

5本のインプラントでマグネットをつけた総義歯です。 人工歯肉をつけて唇のヴォリュームを確保しました。
向かって右下には3本のインプラントを植えてあります。 患者さん曰く「噛む力は自分の歯があったころと変わらない」との事です。

①5本のインプラントが植えてあります。
②5本のインプラントのレントゲン写真です。
⑤義歯の内面にマグネットをつけてあります。


*下の総入れ歯に対するインプラント義歯
両方とも上下総入れ歯の方で初診時入れ歯が動いて痛くて噛めない事を主訴として来院されました。
下の犬歯部に2本インプラントを植え義歯が動かないようにしました。
上下に義歯を入れた状態のレントゲン写真です。
両方とも「出来るときにインプラントをしておいてよかった」と来るたびにおっしゃいます。

①平成5年にインプラント植立された方のレントゲン写真です。
②平成11年インプラント植立された方のレントゲン写真です。

③口腔内ではこのような形で義歯を支えます。二つとも同様です。


①第一小臼歯にインプラントを植え土台を立てあります。犬歯は欠損しています。

*キーウエイとは
インプラントを植えた部分のクラウンに溝(キーウエイ)が作られています。
その溝の部分に精密に入るもの(キー)を作り、力の遊び部分を作るのです。
ここでつないでブリッジを作る為、インプラントに無理をかけずに長期的な安心が得る事ができます。


②インプラントクラウン部分にキーウエイを作り連結させます。
③インプラントクラウン部分にキーウエイを作り連結させます。

④インプラントクラウン部分にキーウエイを作り連結させます。
⑤インプラントクラウン部分にキーウエイを作り連結させます。

⑥キーウエイブリッジの入った口の中の状態です。
⑦キーウエイブリッジの入った口の中の正面から見た状態です。

⑧レントゲンフィルム上では向かって右上はブリッジのような状態になっています。
⑨骨の状態が悪くインプラントを植えられない為、1本のインプラントで治療しました。左側は骨の状態がよかった為、2本のインプラントを植え理想的に治療ができました。

⑩右下にキーウエイのブリッジがあります。
⑪キーウエイのブリッジのレントゲン写真です。

*キーアンドキーウエイによるインプラントと歯牙の連結
インプラントと歯牙との連結は禁忌であり、連結によりインプラントの寿命は短くなってしまいます。
両症例ともレントゲンの上ではブリッジのように見えますが、連結はされておらず歯牙部分が動けるようになっていますので、インプラントに無理のかからない設計になっています。

インプラントのQ&A
  • Q.費用について教えてください
  • A.植立費用はインプラント本体および土台を含め20万円を頂いております。
    サイナスエレベーション、スプリットクレスト、抜歯即時インプラントも同様です。
    クラウンとして貴金属歯5万円、ポーセレン10万円かかります。
    1本あたり25~30万円の費用です。


  • Q.糖尿病、腎臓病、骨粗しょう症、リュウマチなどの慢性病にかかっていてもインプラントは出来ますか?
  • A.すべてどの程度の状態かによって異なります。
    糖尿病の方は血糖値が安定していれば問題なく植立出来ますし、重い腎臓病でなければ大丈夫、骨粗しょう症の方も薬を飲み方によって変わってきます。
    初期のリュウマチも問題なく植立出来ますがこのような場合、よく病態を把握してから行いますのでご安心ください。

  • Q.年齢によってインプラントができない事がありますか?
  • A.若い方は骨の成長が完了していれば問題ありません。
    ほぼ18歳以上ですが、若い方に植える事はほとんどありません。
    高齢の方も体調に問題がなければ植える事が出来ます。
    私の植立した最高齢は80歳の女性です。

  • Q.通院期間はどれくらい掛かりますか?
  • A.骨のあるところに植える場合約2ヶ月で終了します。
    抜歯即時インプラントでは、約4ヶ月で終了します。
    抜歯をしてから骨の治るのを待ってインプラントをする場合、6ヶ月以上掛かります。

  • Q.インプラント治療後の手入れは何か特別の事が必要ですか?
  • A.普通に歯を磨いて頂く事はさほど変わりません。
    歯ブラシと歯間ブラシによる清掃で十分です。
    定期健診で適切な処置をする事がインプラントの寿命を延ばしますので、6ヶ月毎のメインテナンスをお勧めします。

  • Q.治療期間中、前歯がなくなる事はないのでしょうか?
  • A.仮歯または仮の入れ歯つくりご不便のないようにします。

  • Q.奥歯3本がありませんが1本分くらいの費用しかありません。なんとかならないいでしょうか ?
  • A.理想的には3本のインプラントを植えるのが最良ですが、人それぞれ出せる費用が違ってきます。
    私は最低限の予算で何とかしてあげたいと思っておりますので、条件によってはいくつかの方法があります。
    1つは1本のインプラントを植え、1.5本分の大きさ(小臼歯2本分)の歯を作ります。
    もう一つは奥に1本インプラントを植え自分の歯とブリッジを作り、2本の奥歯を作ります。
    自分の歯とインプラントを直接つなぐとインプラントに無理が掛かりますので、キーアンドキーウエイという方法で力を逃がしながらブリッジを作ります。
①向かって右下は第二小臼歯に一本インプラントを植え治療しました。
②向かって左下3本の欠損に対し1本のインプラントでキーウエイタイプのブリッジを作りました。

③的確な診断をする事により最低限のインプラント数でも十分に持たせる事ができます。

右下には2本の欠損に対し1本のインプラントで処置してあり、治療から7年経過しているがブリッジの土台の歯およびインプラントも何の変化も現れていません。
理想的には5本のインプラントを植えて作るべきかもしれませんが、的確な診断をする事により最低限のインプラント数でも十分に持たせる事ができます。



  • Q.インプラントの長さや太さについて教えてください。
  • A.出来るだけ太くて長いインプラントを植えるのが理想的です。
    しかしほとんどの場合は骨量に制限があります。
    長さとしては10ミリ以上、太さとしては4ミリ以上あれば咬合圧に耐えられると考えています。
    3.3ミリの太さのITIインプラントを用いた場合、5年以上経過後、骨との境目で咬合圧による断裂を10例経験しました。
    4ミリのものでは、断裂は1例もありません。
    安易に細いインプラント入れてはいけない事を経験いたしましたので、どの様なインプラント植えるかを担当の先生によく聞いてください。
①平成7年に向かって右上にインプラントを2本植えクラウンを作りました。
②向かって左下平成12年に太さ3.3mmのITIインプラント植立させました。

①平成18年根元から折れた為に除去しました。
新たに4.0mmのインプラントを植えなおしました。現在は向かって右に3本インプラントを追加して安定した状態です。
②この方は「絶対に義歯は入れたくないずっと自分の歯で噛んでいたい」という事で、追加のインプラントを植えて何不自由なく、どんなものでも食べる事ができています。