咬み合わせを守る治療や痛みのないインプラント手術
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理想的なかみ合わせ
①全部の歯が残ってかみ合わせが安定した理想的な状態です。

全部の歯が残ってかみ合わせが安定することが理想的です。
しかし様々な理由で歯を失っていきます。
治さなくてもよい欠損から絶対になってほしくない欠損までをお話します。


奥歯1本の欠損

奥歯1本の欠損はほとんどの方はこのままで何もしないで問題はありませんが、どうしても歯を入れたい場合インプラントを植え歯を作る事です。

①奥歯1本の欠損は、ほとんどの方はこのままで何もしないで問題はありません。
②向かって右下第2大臼歯にインプラントを植えてあります。

奥歯2本の欠損

噛む事に問題がなく、残っている歯にも問題がなく、顎関節にも問題がない場合義歯を入れなくてもよいと考えます。
義歯を入れて口の中の環境を悪くするよりは何もしない方が歯が長く持ちますが、義歯を希望される方には作る事もあります。
この状態で欠損を食い止める事ができれば大きな欠損にならず、義歯を入れずに一生を過ごせる可能性が出てきます。
2本のインプラントを植えるのが理想的ですが、1本のインプラントでも咬み合わせを守る事ができ、手前の歯の負担も減らす事ができます。
インプラントの力を十分に発揮でき、インプラントのすばらしさを感じて頂けるものとなります。



①両側の大臼歯の欠損です。この方は義歯を入れたいという事で義歯で治療しました。
②クラスプをかけた歯に軽度の動揺が出てきました。義歯を入れて3年目になります。

③2本の欠損に対し2本インプラントを植え治療しました。
④2本の欠損に対し1本のインプラントを植え治療しました。 一番奥までは使えないが噛む事には不自由さを感じいません。 20年以上待たせる事ができると考えています 。

奥歯3本の欠損

奥歯3本がなくなってしまうと義歯を入れる事のできる方が多くなってきます。
入れたほうが咬みやすく、咬み合わせの安定感を得られる方は入れておく事ができます。
ほかの歯がしっかりしていてそちら側でかむのに支障のない場合は、はずす方も出てきます。
ほかの奥歯に欠損のある場合(左右で4~6本)はほとんどの方が義歯を入れたほうが咬みやすくなり、義歯に慣れようと努力をしてくださいます。
ただ相当の力を義歯で受け止めねばならない為、ばねをかけた歯に負担を強いる事となり歯を失うスピードが速くなってきます。
義歯を入れて咬めるようになるという事は、ある意味残っている歯を犠牲にしながら使っているという事なのです。


奥歯3本ない状態(義歯とインプラント)

①向かって右側に3本の欠損左に2本の欠損に義歯を使ってって治療しました。
②義歯です。

③3本の欠損に対し3本のインプラントを植えて治療しました。
④下の両側ともインプラントのブリッジで治療しました。

⑤2本のインプラントで3本分の歯を作り治療しました。
⑥上の歯の一番奥がないため下も2本のインプラントで2本の歯を作りました。

奥歯4本の欠損

4本の奥歯がない場合(第一 第二小臼歯 第一 第二大臼歯)
片側または両即奥歯が一本もない状態であり義歯を入れないと咬み合わせを確保できない状態となってきます。
左右で4~8本の欠損が考えられ、咀嚼機能が失われてしまいほとんど方は義歯を入れる状態となります。
ただ義歯部にほとんどの咬合圧(咬む力)が加わる事となり、骨の吸収や残っている歯へのダメージが大きくなり徐々に歯が抜け、欠損が拡大していきます。


*8本欠損の両側遊離端義歯
8本欠損の両側遊離端義歯です。
通常入れ歯を入れないとモノが噛めない状態です、
よほどうまく入れ歯を作らないと骨の吸収やばねをかけた歯を早期に痛めてしまいます。

①前歯だけしか残っていない状態です。
②犬歯にばねをかけ義歯を入れています。


少し脱線しますが下顎の遊離端義歯についてお話します。
下顎の遊離端義歯を作るには技術によりかなりの差が出てしまいます。
型を採り義歯の形を決める時に骨の外斜線を超えるところまで延ばす事ができれば、骨のもっとも硬く痛みの少ない場所なので、より長く骨を減らす事もなく使う事のできる義歯になります。
(外斜線とは骨の外側にあり、目で見る事はできません。触診により分かる場所です。)
外斜線まで延長された義歯を入れた状態で来院された患者さんをほとんど見た事がありません。
義歯を修理して外斜線までのばした例を示します。
これだけで倍近い負担に耐えられるようになり、骨吸収も減らす事ができます。

①修理前の状態です。普通このような状態で作ってしまいます。
②外斜線まで義歯を拡大した状態です。

奥歯4本欠損のインプラント治療
2~4本のインプラントを使い治療します。
奥歯4本の欠損だけという事はまれで、下の例のように他の欠損を含む場合が多く見受けられます。

①全顎的なインプラント16本のインプラントを植えてあり、11年経過しています。
②上は犬歯から4本ずつ8本のインプラントで治してあります。

①インプラントがないと奥歯のかみ合わせが得られない状態です。13年経過しています。
②向かって左上3本のインプラントで4本分の歯を作ってあります。

中間欠損
①奥歯1本の中間欠損の状態です。
②奥歯2本の中間欠損の状態です。

前歯1本の中間欠損の状態です。
②前歯2本の中間欠損の状態です。

1~2本の中間欠損では固定性のブリッジが通常の治療では選択されます。
土台になる歯がしっかりしていれば長期間機能を発揮してくれますが、健全な歯でも削ってかぶせる処置が必要になってきます。
インプラントを植えて残っている歯に負担をかける事なく治す事もできます。

①下の奥歯1本欠損に対するブリッジ治療です。奥歯の欠損に対し歯を削り型をとる状態です。
②ブリッジの入った状態。手前の歯は表側を削らずに審美的に作ってあります。

③奥歯2本の欠損に対するブリッジを作る前の状態です。
④ブリッジの入った状態です。

⑤できるだけ金属の露出を避けたブリッジとしました。

前歯や奥歯の中間欠損に対するインプラント治療

①奥歯一本の欠損に対するインプラント治療です。
手前に犬歯を含むブリッジが入っている為、これをブリッジにすると土台となる歯の寿命を短くしてしまうと判断しインプラントを一本植える事で解決しました。
②向かって左上は3本欠損に対し2本のインプラントを植え3本の歯を作りました。
右上は一本のインプラントで2本の歯を作りました。

③奥歯3本は平成3年に植えたインプラント、上の中間欠損は平成16年に植えたインプラント治療です。
インプラント治療の良さを知った方は次もインプラント治療を望む場合が多くなります
④前歯に対するインプラント治療、両隣りのメタルボンドクラウンが気に入っていたのと、できるだけ自然に見えるように作ってほしいとの事でインプラントを選びました。

臼歯部・前歯部両方を含む欠損

上下どちらかに多数歯にわたる欠損があるのか、上下両方にあるのかなど数多い組み合わせがある為、個々についての説明はぶきますが、基本的な考え方として上下の噛み合わせにより直し方が決まってくるという事です(すれ違いに近い形か、それとも安定した形か等)。
なかには総義歯になる事が避けられないものもあり、やり方によっては残っている歯を守り、噛み合わせをしっかりできるものも作る事ができます。
インプラントとブリッジの組み合わせ、インプラントと義歯の組み合わせ、二重冠(コーヌス義歯)による義歯、ばねをかける従来の義歯等が考えられます。

①さまざまの欠損があります。(上)
②さまざまの欠損があります。(下)

犬歯一本しか残っていないので、インプラントを4本入れコーヌスクラウンとマグネットのコンビネーション義歯としました。

①義歯の内面にマグネットが入った状態です。
②口腔内の内観とマグネットキーパーです。

上顎は3本・下顎は2本の歯が残り、インプラントを上に4本・下に3本植えてコーヌスクラウンとマグネットのコンビネーション義歯で治療しました。
仮義歯を作り様子を見ている状態の写真です。
仮の義歯を作りかみ合わせを安定させながら、義歯の大きさ・歯並び・かみ合わせを決めて最終義歯に生かしていきます。

①上の状態です。
②下の状態です。

③仮義歯の内面です。
④仮義歯を入れた状態です。

⑤上の骨がほとんどなくスプリットクレスト法を使いインプラントを植えました。
この方はここまで来るのに1年近くを要しました。

すれ違い咬合という欠損

歯の数は上下ともある程度残っているのにかみ合っている歯が一本もない状態を「すれ違い咬合」と呼びます。
この状態で義歯を作っても、上の歯は下の入れ歯を下の歯は上の入れ歯を外す力であり、あごの骨を痛めつける力となり、義歯を壊す力となってしまい、世界中のどんな名人が作ってもうまくいかない歯の残り方なのです。
このような状態だけにはならないでいただきたいのが私の願いです。
それでもこのような状態で来院される方もいらっしゃいます。
治し方としては、すれ違いという環境を変える以外に方法はなく、全部の歯を抜いて総入れ歯で安定させるか インプラントを植えて残った歯とかみ合わせ安定させるかの2つの方法しかないと考えます。

①上の奥歯と下の前歯のすれ違い咬合です。
②上の奥歯と下の前歯から奥歯にかけてのすれ違い咬合です。

②上下の奥歯同士のすれ違い咬合です。

すれ違い一歩前の状態です。
これだけの数の歯が残っているがかみ合っているのは犬歯一本だけかみ合っている歯も動揺し入れ歯もあたり痛みが出ています。
この一本がなくなるとどうにもならなくなるすれ違い咬合となってしまいます。

①上は6本の歯が残っています。
②下も6本の歯が残っています。

③向かって右側の犬歯がかろうじてあたっていますが、奥歯のかみ合わせは一本もありませn。

インプラントで治療したすれ違い咬合症例

①完全なすれ違い咬合の状態で、歯の残っていない上下のあごの骨は極端に減ってきています。この状態で義歯を入れている為、より状態を悪化させていきます。


②上の奥に埋伏歯が残っていますが、それ以外を全部抜いて総入れ歯とし、下は向かって右下に2本インプラントを植え、残した歯とともにコーヌス義歯としました。
②この場合2本インプラントを植えられるだけの骨が手前のほうにあったのでなんとかできましたが、なかった場合全部を抜いて総入れ歯にしないと安定はできなかったと思われます。

③上には金属床の総れ歯を入れました。
④金属床の総れ歯です。

⑤下はインプラントのコーヌス義歯を入れました。
⑥インプラントのコーヌス義歯です。

⑦前方からの写真で4年目の状態です。
よく噛めすぎる事が難点で1年半で上の金属床の総入れ歯が真中からひびが入り作り直しました。
初診時では入れ歯は人前に出るのに入れていただけでしたが、現在は何でも食べる事ができるし入れ歯が落ちてくる事もないと大変満足されています。

マグネットによる義歯

総義歯に近い形で歯の根を残し、そこに金属で被いキャップを作る場合や、マグネット(磁石)をつける事があります。
歯を残す事により粘膜でかむ感覚より歯でかむ感覚を残す事ができ、またマグネットにより義歯の維持を強くする事が出来ます。
義歯を小さくする事もでき違和感を少なく出来ますが、義歯の中に完全に入れてしまう状態を作ると義歯の中に埋没した状態になり、自浄作用(唾液の流れによる清掃作用)が働かず、義歯の中でバクテリアの増殖を促進し、金属と歯根の境目部分から虫歯が発生し、半年から一年で全周に及んできます。
すぐには入れた方も気がつかず2~3年経つと虫歯による破壊で隙間に気がついてきますが、もうその時は抜歯をするような状態になっているのです。
抜歯を前提にしてマグネットや根面板を入れ、少しの間だけでも楽な義歯を入れるのであればかまいませんが、5年以上虫歯を作らずマグネットを使うのであれば、義歯側に外冠状のものを作り、マグネットの周りを十分に空け自浄作用が働くようにしなければなりません。
義歯全体として考えれば、半年毎の検診により顎堤(顎の骨)の減りや人工歯の磨耗に注意し、メインテナンスをしっかりしなければならないのは当然の事です。

①上下とも外冠を作りその中にマグネットを入れて作った修理をしながら13年目を迎えました。
②2本のマグネットと根面板。

③2本のマグネットと根面板一本は虫歯が進行し根面板を外した状態です。
④2本のマグネットと3本の根面板による義歯。

⑤マグネットは外冠を作りその中に入れてあります。このような作り方をしないとマグネットを生かす事ができません。
⑥10年間作った時と同じ状態で使っていただいています。

コーヌス義歯

15年以上使っていただいているコーヌス義歯です。
残っている歯に2重冠をかぶせ、義歯の動きを極力抑えたやりかたです。

①コーヌスが折れてマグネットを1本入れてあります。
②マグネットを入れて10年経過、義歯を作ってから修理をしながら15年以上使っていただいています。

③人工歯を直したり欠損部を裏打ちしながら使っていただいています。

これも修理をしながら15年以上使っているコーヌス義歯。半年ごとの定期検査には必ず来院されている患者さんです。

①4本のコーヌスクラウンで義歯を支えています。
②義歯を入れた状態です。

③右下のコーヌスクラウンが壊れ、作り直して使っています。

総義歯
①健康保険で作った総入れ歯。
②修理を繰り返しながら10年以上使っていただいています。

①20年以上使っている総入れ歯です。
②かみ合わせの面を金属で作っているためかみ合わせの変化が少ない状態です。顎の変化もほとんどなく不思議でなりません。

①5年経過の総入れ歯です。上の奥歯にはブレードティースという十字形の包丁の役目の歯を入れてあり、下にはまな板の役目をする歯を入れてありまます。
②このタイプは物を噛み切るのには非常に効果があります。

①10年以上経過した総入れ歯です。下の入れ歯はあごの骨が減り裏打ちをして減った部分を足してぴったりさせています。
②これもブレードティースを奥歯に使っています。両方とも80歳以上の高齢ですが、何でも食べられるという事です。

私の歯科治療の原点

私の歯科治療の原点は総入れ歯を作る事がうまくなりたい事から始まりました。
大学医局時代から総入れ歯を作る事が上手くなりたくて多くの先生の話を聞いたり、本をよんだり、研修会に出たり、そして実際に作って技術を高めてまいりました。
総義歯の作り方を学んでくると、何もないところから空間の中に咬む機能を持った美しい歯並びを作るという事で、どの様に歯を並べれば自然に美しく見えるか、奥歯をどの位置に並べれば、頬の粘膜や舌かまずにものを食べられるのか、顎堤粘膜の状態による咬みあわせの与え方など色々な事を学び、それがクラウン・局部義歯・インプラントの各治療まで非常に役立っています。